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ソーシャルレンディングとは?

銀行の定期預金だけでは全く利子がつかない昨今。
もっとうまく資産を運用したいが、どの投資サービスに手を付けて良いか分からず、結局預金口座に入れっぱなしの方も多いと思います。
そうした方向けに、分散投資の一つの投資先としてオススメできる投資サービスがソーシャルレンディングです。
そもそもこのソーシャルレンディングという言葉、あなたは知っていましたか?
Twitterでアンケートを取ってみたところ、実に59%の人がソーシャルレンディングを知らないと答えました。

欧米では既にメジャーな投資サービスのようですが、日本では2008年からサービスが立ち上がっているにも関わらず、まだそこまで知られていないみたいですね。
実際に私も友人がソーシャルレンディングをオススメしてくるまでは知りませんでした。
彼は投資が好きで、ソーシャルレンディングでも年利10%以上稼ぎ出しているそうです。
そこでこの記事では、
- ソーシャルレンディングとは何か
- 人気4サービスの比較
- ソーシャルレンディングのリスク
について深掘りしていきたいと思います。
ソーシャルレンディングとは何か
ソーシャルレンディングとは、ざっくり言うと、
お金を借りたい企業とお金を運用したい投資家をマッチングさせるインターネットサービス
のことです。
借り手が返済する元本+利息の部分が、投資家に対して分配されます。
文章だと分かりづらいので、図にしてみました。

個人投資家が企業などにお金を貸して、返ってきた利息が利益になるということですね。
でも事業資金欲しかったら銀行とかから借りればいいんじゃないの?
そういう人たちのためのサービスでもあるんだよ。
いわば融資サービスの新しい形、と言ってよいでしょう。
利益の分配方法は2パターン
貸したお金の利息分が利益になるわけですが、利益を受け取るタイミングはその案件によって異なります。
大きく分けて毎月分配型と満期一括型の2パターンが存在します。
毎月分配型
1カ月単位で分割返済が行われるファンドの場合、月々の返済額から手数料を差し引いた額が投資家に分配されます。
毎月の分配金のうち、何割が償還金(投資元本)で、何割が分配金(利回り)なのかしっかり把握する必要があります。
満期一括型
運用期限が来たら、返済額から手数料を差し引いた額を一括で受け取る方式。
元本と利息が一度に分配されるため、利益がどれくらい出たのか一目で分かるのがメリットです。
ただし、ソーシャルレンディングは途中解約や権利譲渡ができないので、利益が確定するまでに一定の時間がかかります。
おすすめソーシャルレンディング4サービスを比較!

そんなソーシャルレンディングサービスですが、実は国内だけでも20個以上のサービスがあるんです。
ということで、今回はその中でも人気どころ4サービスに絞って比較をしてみたいと思います。
- SBIソーシャルレンディング
- OwnersBook
- クラウドクレジット
- クラウドバンク
SBIソーシャルレンディング

融資残高 | 350億円(2019年10月末時点) |
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登録完了数 | 39,832人(2019年10月末時点) |
投資可能額 | 1万円~ |
予定年利 | 3~10% |
最低運用期間 | 約3カ月~ |
- 出金手数料が無料(他サービスは300円程度)
- 大手金融会社SBIグループが運営
- 定期的にSBIポイント還元のキャンペーンを実施
OwnersBook

融資残高 | 53億円(2018年9月末時点) |
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登録完了数 | 20,000人突破(2018年7月末時点) |
投資可能額 | 1万円~ |
予定年利 | 4.6~14.5% |
最低運用期間 | 2カ月~ |
- 東証マザーズ上場企業「ロードスターキャピタル株式会社」が直接運営
- 不動産投資案件中心なのに、最低1万円から投資可能
- 自社セミナーを定期開催している
クラウドクレジット

融資残高 | 100億円突破(2018年8月末時点) |
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登録完了数 | 20,000人突破(2018年2月末時点) |
投資可能額 | 1万円~ |
予定年利 | 5.5~12.8% |
最低運用期間 | 約13カ月~ |
- 海外案件に特化した高い利益率
- 伊藤忠商事と業務提携している
- 貸し倒れや返済遅延状況とその理由をしっかりと投資家に公開
クラウドバンク

融資残高 | 100億円突破(2018年8月末時点) |
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登録完了数 | 20,000人突破(2018年2月末時点) |
投資可能額 | 1万円~ |
予定年利 | 5.5~12.8% |
最低運用期間 | 約13カ月~ |
- 2019/6時点で貸し倒れなし(100%元本保証)
- 「第一種」金融商品取引業の登録事業者
- 中長期の運用案件が多い
- 借り手に関する具体的な情報が開示されている
ソーシャルレンディングに投資するリスクは?

ご紹介した通り、ソーシャルレンディングは利率の高い案件が非常に多いですが、その分リスクが伴います。
以下にご紹介するそれぞれのリスクを認識した上で、余剰資金で分散投資することをオススメします。
元本割れ・返済遅延のリスク
冒頭でご説明した通り、投資先は銀行から融資を受けにくいような事業者であることが多いです。
中には返済が滞ったり、事業者が倒産して返済不可能になることもあります。
そのリスクに対しては、借り手が不動産や株式などを担保に入れていることが多いのですが、その担保が融資総額に相当するかどうかは正直投資家から見ると不透明です。
なので、万が一のことが起きた時には、
元本割れが生じる可能性がある
貸し倒れや返済遅延が発生する可能性がある
ということは念頭に置いておいた方が良いでしょう。
途中解約や売却ができない

各社最低運用期間は1、2カ月とうたっていることが多いですが、ほとんどの案件は12カ月程度は運用しなければなりません。
この間、ソーシャルレンディングでは、基本的に途中解約をおこなったり権利を第三者に売却したりすることができません。
期間中は放置できる反面、運用状況が悪化した際には何も対処できないので、大事なお金をまとめて投資することは避けましょう。
過去に行政処分・取引停止になった業者
ソーシャルレンディング業界では過去、案件の虚偽記載や不健全運営などが指摘され、訴訟になったり金融庁から行政処分を受けたりしている会社がいくつかあります。
各サービスを見ていると、高利回りをうたっている案件も多いですが、担保は何なのか、投資先は信頼できるのか、サービス運営は健全かなど注意して投資する必要があります。
以下で、これまで行政処分を受けたサービス/案件の例をご紹介します。
ラッキーバンク・インベストメント
2019年3月14日に、貸付先の審査に誤解を招く表現で資金を調達し、その資金を代表取締役の親族の会社に貸し付けたとして、金融庁から登録取消処分されました。
maneoマーケット
2018年7月、案件に虚偽記載があった(資金使途が異なっていた)として、業務改善命令を受けています。
クラウドバンク
2015年、顧客預かり金を管理する社内規定やシステムが追いついておらず、預り金残高を正確に把握しきれていなかったとして、3カ月間の一部業務停止処分となりました。
2017年にも、案件の担保説明に誤解を招く表現があったことと、キャンペーン内容に誇張表現があったとして、業務改善指導を受けています。
しかし、扱っている案件自体は高利回りなことに加え、ここまで元本割れも起きていないことから、投資家がたくさん集まり、会社規模は順調に拡大しているようです。
みんなのクレジット
2017年、以下を理由に金融庁から1カ月の業務停止命令を受けています。
- 資金の一部が経営者の口座に流れていた
- 担保有りの案件に担保がついていなかった
- 債務超過に陥っている会社に融資していた
- ある案件の投資資金を別の案件の分配金にあてていた
ご覧いただいて分かる通り、一つ一つが明らかにやばいです。
ソーシャルレンディングは利回りが良い案件が多い反面、法整備が追い付いていないため投資者にはその裏側が見えづらく、リスクを考慮して投資する必要があります。
おわりに
ソーシャルレンディングは年利だけみると、これ以上ないお得な投資サービスだと言えると思います。
しかも運用期間中は完全に放置して満期を迎えるのを待つだけなので、投資初心者でも始めやすい投資サービスであると言えるでしょう。
ただし、利回りの良い投資にはリスクがつきもの。
元本割れや返済遅延の可能性も頭に入れながら、あくまでも余剰資金で投資されることをお勧めします。
分散投資の一つの選択肢としてはアリだと思うので、私も近々投資しようと思っています。
投資を始めたら、運用実績やサービスの詳しい内容についても記事を書いていこうと思います。