今回紹介する本は転職を考えている人向けの本

今回は、このまま今の会社にいてもいいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法という本について解説していきます。
この本は、発売からわずか2週間で10万部突破のベストセラーになった、これから転職を検討したい人にはもってこいの内容になっています。
著者である北野さんは、
就職氷河期時代に博報堂に入社
ボストンコンサルティンググループへ転職
ワンキャリアへ執行役員として転職、日経新聞やプレジデントなどのビジネス誌で「職業人生設計」のコラムを執筆
以上のような経歴をもつ、超エリートサラリーマンです。
この本は、日系企業に務めるアラサー会社員が初めての転職を検討するというストーリーの小説をベースに展開されていまして、楽しみながら読み進めることができます。
今回は、その中でも転職を経験している私としても特に参考になったところをピックアップしてご紹介していきます。
※この本の解説は、Youtubeでも行っています。
文字を読み進めるのが苦手な人は動画も参考にしてみてください。
転職を成功させるために必要な考え方は、3つ
早速、結論となりますが、転職をする際に重要となってくるのは
- 自分のマーケットバリューを測り高める
- 転職すべき会社を見極める
- 最適な採用チャネルを選ぶ
この3つです。 早速それぞれの中身について詳しく解説していきます! ではいきましょう!
①自分のマーケットバリューを測り、高める

まず重要なのは、自分の転職市場での価値、「マーケットバリュー」を知ることです。
ではどうやってそれを測るか。
マーケットバリューを測るための指標は、次の3つです。
- 業界の生産性
- 人的資産
- 技術資産
まず業界の生産性は、一人あたりが生み出す粗利益が指標となります。
この生産性が当然給与の原資となるので 属している業界の生産性が低ければ、どんなに転職を試みても給与が頭打ちになってしまう、なんてことも有り得ます。
人的資産は、一言で言えば「人脈」です。
あなたが会社を変わっても一緒にビジネスをやってくれる人がどれだけいるでしょうか。
技術資産は、他の会社へ行っても通用するあなたの専門性や経験のことです。
例えば法人営業経験やマネジメント経験、こうしたものが技術資産に当たります。
結局は転職市場におけるあなたの価値はこの3つの掛け算なので、それぞれの指標を高めていく必要があります。
実は高めた方が良いバリューは、あなたの年代によって異なってきます。
あなたが20代ならばまずは技術資産、特に専門性を磨くべきです。
様々な業務経験や、特定のサービスの知見を深めたり、資格を取ったり、自身ができることの幅を広げていきましょう。
これらは誰でも学べば獲得可能なため、年を取るほど差別化しづらくなります。
あなたが30代であれば、技術資産の中でも特に経験を磨くべきです。
プロジェクトマネジメントをしたり、サービスを立ち上げたり、と行った経験ができる環境に身をおくべきです。
40代以降になると、上記のような技術資産はもとより、これまでのキャリアで構築してきた人的資産が重視されてきます。
あなたが会社を変えても仕事をくれる人がどれだけいるか、あなたがいるからやろう、と言ってくれる人がどれだけいるかということです。
そして最後は年収に絡む部分でもある、業界の生産性についてです。
例えば同じ年代の人が同じ時間働いていても、金融業界とウエディング業界では年収が大きく違う場合があります。
これが業界の生産性の違いなんです。
生産性は、業界によって最大で20倍近くの差があると言われています。
しかしいくら生産性が高いから、と言ってもそうした生産性の高い業界は、自分のやりたいことと異なる、という場合もあると思います。
そんな場合には、自身の属している業界が「今伸びているマーケット」かどうかチェックしてみましょう。
これから伸びるマーケットを見つける方法は2つです。
一つは、複数のベンチャーが参入しており、各社とも業績が伸びていること。
〇〇業界 ベンチャーと検索すれば、様々な業界の若い会社を調べることができます。
そしてもう一つが、既存業界の非効率を突くロジックを編み出していることです。
例えば、教育現場ではこれだけインターネットが普及しているにも関わらず、毎年同じ授業をする教師がいますよね。
このような授業は本来型化してコンテンツにし、教師は他の新たなことにとりかかるのが効率的なようですが、現状を知っている人は「それは無理だ」と言ってやっていません。
本当のダイヤモンドは、 周りは馬鹿にするが、 理屈から考えると正しいことにこそ眠っているんです。
②転職すべき会社を見極める

続いて、転職すべき会社を見極める方法について考えていきたいと思います。
①で行きたい業界・会社がある程度定まったはいいが、本当にその会社で良いのか、悩むと思います。
そんな時に良い会社かどうかを見極める方法を3つ、ご紹介します。
- 競合がどこか、競合も伸びているかをチェックする
- 現場のメンバーは優秀か?をチェックする
- 同業他社からの評判が悪くないかチェックする
一つ目が、競合がどこか、競合も伸びているかをチェックすることです。
これは先ほども述べたとおり、伸びているマーケットであることを確認するために必要です。
そして二つ目が、現場のメンバーは優秀か?をチェックすることです。
ここは、現場の人だけと会う場を設けてもらい、積極的に逆質問することで判断できます。
最後に三つ目が、同業他社からの評判が悪くないかチェックすることです。
これは詳しい人が周りにいなければ、ネットの口コミを参考程度にチェックしてみるだけでも良いでしょう。
次に、転職の場合は入社した後のことを考えて、
- 中途を生かすカルチャーがあるか
- 会社の強み(エンジン)となる部署がどこか
を確認しておく必要があります。
これは、その企業の経営陣の経歴を見れば分かります。
役員が新卒出身で固められていたら要注意ですし、自分は営業で入社したいが経営陣は経理畑出身の人が多い場合には、その会社では経理部が裁量権を強く握っている場合があります。
その会社の強み(エンジン)となるような部門に入ることで自身のキャリアアップにも大きく貢献できます。
③最適な採用チャネルを選ぶ

そして3点目に重要なのが、最適な採用チャネルを選ぶことです。
私は某大手エージェント(R社)を使ったのですが、企業が採用するチャネルは他にもあります。
例えば
- ヘッドハンティング
- 転職エージェント
- ダイレクトリクルーティング型のサービス
- SNSなどを通じたマッチング
- 直接応募または友人からの紹介(リファラル採用)
などです。
企業側が支払うコストは、上に行くほど高くなってしまいます。
ヘッドハンティングはある特定の人を引き抜くためにリソースをさくので、高いことは分かりますが、転職エージェントはなぜそれほど高いのでしょうか?
エージェントは、企業の採用活動の一翼を担い、企業が求める人材を紹介して報酬をもらっています。
積極採用をしている企業を中心にどんどん転職者に受けさせているんです。
つまり、エージェントで積極採用をしている会社は、
「自社のブランドや採用活動だけではなかなか良い人材が集まらない」
「離職率が異常に高い」可能性が高いのです。
そのような理由から、あなたに行きたい会社が明確にある場合、転職エージェントだけを頼って転職活動をするのはあまりお勧めできません。
あなたが行きたい会社が本当に良い会社であれば、行きたい人が殺到していて企業も採用チャネルを絞っているはずです。
使えるチャネルは全て使う、くらいのつもりでチャレンジした方が良いでしょう。
逆に、行きたい会社が明確にはなっていない場合、転職エージェントに相談するのも一つの手であるといえます。
ただし、エージェントを選ぶ際には次の良いエージェント5か条を思い出し、本当に親身になって相談に乗ってくれているか、チェックしてみてください。
- 面接時のよかった点と懸念点をフィードバックしてくれる
- 案件ベースの良い悪いではなく、自分のキャリアにとってどういう価値があるか、という視点でアドバイスをくれる
- 企業に回答期限延長や年収交渉をしてくれる
- 他にいい求人はないですか?という問いに粘り強く付き合ってくれる
- 社長や役員、人事責任者など要求した面接を上手くセットしてくれる
まとめ
ここまでをまとめますと、転職をする際に必要となるのは
- 自分のマーケットバリューを測り高める
- 転職すべき会社を見極める
- 最適な採用チャネルを選ぶ
この3つでした。
マーケットバリューは業界の生産性、人的資産、技術資産の3つの軸から算出されるあなたの市場価値のことで、年代によって重視される軸が変わってきます。
転職すべき会社を見極める際には、今伸びているマーケットを見つけ、その中で自身の強みと会社のエンジンがマッチしているような会社を見つけることが理想となります。
そして、行きたい会社が決まったのであれば、転職エージェントに活動を絞らず、使える採用チャネルは全て使うつもりで転職活動に臨みましょう。
ここまでの内容を、Youtubeでアニメーションにしてまとめていますので、理解を深めたい、おさらいをしたいという方は是非動画の方もご覧になってください。
ではでは!